XLII
生物学を創った人々

中村禎里 [著]


 私がバイオサイエンス研究科での新入生の最初の講義として、生物学の歴史の様な事について話した講義をしていたとき、資料として使っていたものの一つである。いま、科学史や科学哲学などについても講義があった方がいいという意見が出ており、極めて重要なことであると考えているが、そのための一つの資料に十分なりうるものである。教科書では、既に固定化された知識の集積として記録されているところが多いが、生物学のように、積み重ねの学問は、やはりそれぞれの研究の歴史を知った上で、自分の立ち位置を決めることが必要である。しかも、それを当時の状況の中で理解していくことが必要である。一人が一冊持っていてもいいくらいの本である。

学長 磯貝 彰

※ 書評中の身分・表現は当時のものです。