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日本の食と農:危機の本質

神門善久著


 第28回サントリー学芸賞受賞
 日本の農業の問題、或いは、食糧の問題について、鋭い切り口で書かれた本。問題の大部分は土地利用の問題にあると指摘している。この本で教えられたことは多い、これからの、日本の農業がどういう方向に行くべきかと政策提言でもある。しかし、日本の政治情勢などを見ていると、そうした方向に強く行く可能性が低いのかもしれない。最近新書版で、本書の続きのようなものが発行された。
(関連本:日本農業への正しい絶望法(新潮新書 2012.9)そこでも本書の延長上に、農業再生のための提言が書かれている。本書の興味をもたれたら、この新書も読んでみるといい。)

学長 磯貝 彰

※ 書評中の身分・表現は当時のものです。