XLIII
大学の誕生(上) 帝国大学の時代
大学の誕生(下) 大学への挑戦

天野郁夫著


 日本の大学(帝国大学、私立大学、国立大学)はどうできてきたのか、この分野の第1人者による、新書版ではあるが、大変重要な著作であり、ある書評では既に古典であると表されていた。 

 著者は後書きで、
「いま、明治から数えれば、第3の大きな改革の渦中にある。我が国の大学と高等教育システムが直面しているさまざまな問題は、たどっていけばその多くのルーツを、本書で取り上げた、明治から対処初期に書けての「大学誕生」の時代に求めることが出来る。官公私立大学の多様な高等教育機関が織りなす「大学誕生」の物語は。その意味できわめて強い現代性を持っている。」 と述べている。

 大学教員になろうとする人達が、日本の大学の歴史と、その出来上がってきた経緯を承知した上で、大学改革に挑むために、知っておくべき多くのことがらが書かれた優れた本である。

学長 磯貝 彰

※ 書評中の身分・表現は当時のものです。