VIII
旅の途中 : 人の世を「身の丈」で生きる 「君は阿修羅を見たか」で、昨年全国的に話題となった、「阿修羅」像を保蔵している興福寺の貫首(かんす)の近著である。 本書には、著者の日常の生活の中で行きあった話題を材料として、当たり前の生活を当たり前に生きていくための、知恵や考え方が盛りだくさんに書かれている。それぞれのエッセイは1200字程度の短編ではあるが、それを基盤に、それぞれの言葉を自分で考えることによって、心をいっそう豊かにできるだろう。また、時には荒ぶる心を静めることもできるだろう。帯封には、"ほどよい加減に生きてこそ!"とある。 なお、多川貫首には、本学10周年の記念式典の折、記念講演に来ていただいた。その講演は、前著「いのちと仏教」に収められている。私は縁あって、著者と知りあいになった。本書は、著者から私に贈られたものであり、著者のサイン入りである。 学長 磯貝 彰※ 書評中の身分・表現は当時のものです。
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