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生命(いのち)にぎわう青い星 : 生物の多様性と私たちのくらし 今年は、COP10(生物多様性条約第10回締結国会議)が10月に名古屋で開催される。生物多様性は、遺伝的多様性、種の多様性、生態系の多様性であると言われる。今、地球で、何故こうした概念が重要なのかを、わかりやすく記載してある。また、昔から、自然の恵みとして考えられてきた生態系のサービス機能は、供給サービス、調節サービス、文化的サービス、基盤サービスなと整理できることも、本書から教えられる。また、生物多様性がどうして生まれてきたか、それが失われていく現状や、生物多様性の保全の問題についても、ふれられている。 多様性という概念はきわめて重要で、色々な組織にも構成員の多様性が重要であると。それを称して、組織が有効に働くためには、「よそ者と、若者と、馬鹿者」が必要であると説明することがある。 私達は、地球という星のもとに生まれ、生活している。そのいのちが、いかに多様であるのか、また、それが、私達のいのちや生活と、どのように関わっているのか、また、こうした分野にサイエンスはどう取り組んでいけるのかなど、本書を一読して考えて欲しい。 学長 磯貝 彰 ※ 書評中の身分・表現は当時のものです。 |