身体知の解明を目指して

身体知の解明を目指して

シンタイチ ノ カイメイ オ メザシテ

古川康一

生駒 : 奈良先端科学技術大学院大学, 2003.7

授業アーカイブ

巻号情報

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No. 刷年 所在 請求記号 資料ID 貸出区分 状況 予約人数

1

  • [MPDASH]

V001929

内容紹介

楽器の演奏を例として、暗黙的な身体知を言語化するために、熟達者の演奏をモーションキャプチャリングシステム、筋電図などで測定し、データから法則性を抽出するための方法論を展開してきたが、その過程で、幾つかの有用な知見が明らかになり、今後の発展の可能性が見えてきた。具体的には、運動学と運動力学の両面からのアプローチにより、見かけはほぼ同じでも異なる筋肉の使い方によって、技巧的な動きとそうでない動きが区別できることが明らかとなった。また、スキルを、競合する動きでの制約充足問題として捉えることにより、その解明の可能性が示された。その過程で、たとえば弓の返しや弓の弦移動をスムーズに行う方法、左手のポジションチェンジをすばやく正確に行う方法などを発見できた。これまでに得られた新たな発見は、実験手法、モデル化手法、制約充足による形式化、筋骨格系の役割、筋肉の利用の種々のモードの重要性、柔軟な運動を実現するための回転軸、重心などの役割、メンタルモデルの重要性などが明らかになってきた結果として、われわれ自身の洞察によって得られたものである。その過程を通して得られた知見は、今後のスキルの自動発見につながる、背景知識の整備を行ったことになると考えられ、現在、ベイジアンネットワークによるモデル化を進めているところである。 本テーマは、認知科学、人工知能、生体力学、脳科学などが深く関わったテーマであり、それらのコラボレーションによる新たな領域の展開が期待される。

詳細情報

刊年

2003

形態

電子化映像資料(1時間30分秒)

シリーズ名

情報科学研究科・ゼミナール講演 ; 平成15年度

注記

講演者所属: 慶應義塾大学大学院政策メディア研究科

講演日: 平成15年7月14日

講演場所: 情報科学研究科大講義室

標題言語

日本語 (jpn)

本文言語

日本語 (jpn)

著者情報

古川, 康一 (1942-) (フルカワ, コウイチ) [ Hurukawa, Koiti ] [ Hurukawa, K. ] [ Furukawa, Koichi ]