VII
未来への周遊券

最相葉月, 瀬名秀明著


 最相葉月、前に「ビヨンド・エジソン」を紹介したが、その著者である。サイエンスの物語の紹介者として定評がある。瀬名秀明、東北大学大学院薬学研究科在学中に、「ミトコンドリア・イブ」で華々しくデビュー、その後も、サイエンスをベースにした小説を発表している。
 この二人が、科学をテーマに、往復書簡として、それぞれの思いを語っている。一つ一つの手紙は、原稿用紙3,4枚のものだが、あたかも連歌のように、話題が続き広がっていく。イメージがイメージを呼び、本が本を呼ぶ。
 そのなかで、科学の本質、科学者、科学者の夢、が語られる。これを読んで、未来への夢を語れる人だけが科学者になれる、また、夢を語るためには、多くの本を読み、多くの人と語り、そして自分で考えることが必要である、と考えた。
 

学長 磯貝 彰

※ 書評中の身分・表現は当時のものです。