Abstract:
掌サイズの基板上に微細流路を刻み、そこに複雑な化学・生化学実験プロセスを集積化したマイクロ流体チップは、必要なエネルギーや分析時間の短縮等様々な利点がある。その中でもバイオ分析は主要な応用分野の一つであり、細胞や分子などの高速・精密な分析に利用される。チップ材料には、加工の容易さ・安さから、ポリジメチルシロキサン(PDMS)が多用されるが、低耐圧性等化学・物理的特性、そして光学検出に問題があり、必ずしも多岐にわたるバイオ研究者のニーズに即したものではなかった。そこで講演者は、物理・化学的に安定なガラスチップを用いて様々なバイオ分析の効率化に資する技術を開発してきた。とくに本講演では、ガラスの硬さや重さの課題を解決する超薄板ガラスの開発やデバイスへの応用、ガラスの特徴を活かした細胞解析等への展開やレンズ、発電機等の開発等、様々な独自のアプリケーションについて解説する。