Abstract:
本稿では公共図書館の蔵書から中学理科の教材候補となる図書を抽出し,それらの内容的特徴を分
析する。そのためにまず,A 市図書館の蔵書データ(MARC)から,書名・内容紹介・件名標目・分
類記号・児童用内容紹介・学習件名標目のいずれかのフィールドに教科書単元のキーワードを含む図
書を抽出した。それらのうち,1フィールドにしかキーワードを含まない図書の殆どは単元との関連
が見られなかった。そこで,2フィールド以上にキーワードを含む図書を教材候補とみなし,それぞ
れの難易度,新鮮度,分量を分析した。その結果,教材候補について以下が示された。(1)利用対象
が中学生のものは2割以下で,一般向けか小学生向けのものが多い,(2)出版経過後10年以内のも
のが半数以上である,(3)分量としては200ページ以内のものが半数以上である。さらに,それぞれ
の内容的特徴に基づき教材候補から教材を絞り込む時の留意点を整理した。