Abstract:
ソフトウェアの保守,再利用などのためには,解析や理解の容易なプログラムを作成しておくことが重要である.ところが,完成したプログラムを多数のユーザに配布する場合には,システムの安全性の確保や知的財産権の保護などのために,内部の解析が困難なプログラムの作成が要求される場合がある.そのような場合には,解析が容易なように作成したプログラムを,解析が困難になるように変換する方式が有用であると考えられる.このようなプログラムの等価変換を,プログラムの難読化と呼ぶ.本論文では,ループを含むプログラムを自動的に難読化する2通りの方法を提案し,それぞれの方法の有効性を評価するための実験について報告する.実験の結果,極めて小規模なプログラムに対しても,提案する方法が有効であることがわかった.