Abstract:
今日のアプリケーションソフトウェアの多くは,様々な使用目的を想定しているために非常に多機能であるが,その反面,ユーザにとって有用な機能を探し出すことは容易でない.本論文では,ソフトウェアの使用目的が似通ったユーザ間で機能実行履歴を相互参照可能とすることで,ユーザにとって有用な機能の発見を支援するシステムを提案する.提案するシステムは,機能実行履歴をより広範に長期間にわたって収集し,収集された大量の履歴を効率良く処理し,ユーザにとって未知,かつ,有用な機能の候補をわかりやすく提示することができる.Microsoft Word 2000,及び,PowerPoint 2000を対象とした評価実験の結果,延べ9人の被験者は平均63.7個の機能を有用な機能の候補としてシステムより提示され,そのうちの平均16.1個の未知機能を発見することができた.また,発見した未知機能のうち,被験者が実際に有用であると答えた機能の割合はWordでは平均39.2%,PowerPointでは46.3%であった.